ダリル メイサー (Darryl Macer)
(〒305 つくば市 筑波大学 生物科学系
メイサー ダリル,「オーストラリア,ニュージーランド,アジアにおける遺伝子テストの社会的許容度と影響」, pp. 114-122 in 藤木典夫 & ダリル メイサー,編,神経難病,ヒト・ゲノム研究と社会 (ユウバイオス倫理研究会 1994).
オセアニアはアジアの南東部に当たり,アジアは1990年代に,特に通商において,従来焦点が当たっていたヨーロッパに取って替わった。本論文ではまず,「遺伝学時代」にあっていくつかの国が辿るであろう今後の道筋の予測を手助けする,これらの国の重要な社会史を手短に紹介しようと思う。それから,世論調査の結果の何点かを取り上げ,遺伝子テストの増加により見込まれる将来の方向を検討したい。
ポリネシアの伝説によると,1350年にハワイからの大量の移民がニュージーランドに定住し,彼らがマオリ系住民の先祖となった。正確な日付は知られていないが,ヨーロッパ人の到着をはるかに遡ることである。植民地化は1800年代に始まり,1840年にはワイタンギ条約が調印された。先住民の平等権の承認と引き替えに,イギリスの統治権が宣言されたが,この条約のイギリス版とマオリ版に少し違いがあったことが,混乱の原因になっている。ニュージーランドの総督権はイギリスに与えられたが,土地の首長権はマオリ族に与えられた(約 500の部族が条約に調印)。これが複数民族国家の始まりで,過去10年間,条約原則の適用によって,マオリ族への首長権の返還が増加している。例えば,水産業の半分はマオリ系住民に与えられている。
ヘルスケアの分配については,マオリと非マオリの価値観にあまり違いは見られず,医療はすべての人のものという社会主義的視点に立つ。死体の処分,労働や生命の価値,疾病観などの特定の問題にのみ相違があるかもしれない。世界中にも純粋なマオリ人はほとんど残っておらず,皆混血だといわれている。従ってニュージーランドのいずれの集団のメンバーの価値観も混ざりあっていて,これは非常に象徴的なことである。ニュージーランド人の約 10%がいくらかマオリの血を引くと主張し, 90%がマオリの遺産を自らの伝統と主張して,それを誇りに思っている。
ニュージーランドは社会福祉において世界のリーダーとして歩んで来た。 100年前の1893年に,世界で最初に女性が男性同様一人一票の選挙権を与えられた。1898年には,世界初の老人年金法が議会を通過し,高齢者に老人年金を支給している。1938年には,社会主義的健康福祉制度の社会保障法が通過し,1946年には,すべての子供に週1ポンドの総合家族手当てが導入された。1974年には,無過失事故補償制度が導入された。この制度は,過失の如何を問わず事故の全被害者に公平で妥当な補償を行うもので,その哲学は,社会全体が,その成員の一部を苦しめる事故に責任を負うということである。遺伝子や疾患によるすべての事故の責任を社会が負担するという,1938年の国民皆保険の拡大である。事故補償制度は,かつて一般市民が保持した,過失による事故を訴訟に持ち込む法的権利に取って替わったが,法律家の必要性を減らし,すべての国民に速やかな補償を提供することになった。
最近の費用削減の潮流は,1898年に社会福祉の多くの革新的アイデアが,ニュージーランドで試され,受け入れられた時からの前提に挑戦している。1938年に社会補償法が議会を通過した当時,人々は,基本的生活必需品に事欠く国民がいないよう,収入を再分配することが倫理的と考えていた。ニュージーランドは階級のない社会をつくろうと努めており,1940年代から1970年代にかけては世界でも有数の高い生活水準を有して,階級もほとんどなかった。まだ私が子供だった1974年にアメリカ合衆国を訪れたとき,同じ国や都市の中にある様々な人の階級間の大きな違いに私は驚いた。米国もニュージーランドもかつてのイギリスの植民地だが,社会的責任に対して異なる,そして,ある側面では反対の,一般道徳観に到達している。
ニュージーランドでは1990年に家族手当てが廃止された。1992年には事故補償制度の適用範囲が制限され,また医療制度は本人負担に修正されて,低所得者には特別手当てカードが発行された。同じく1992年に,すべての人に多くの権利を保証する権利法案が通過した。これに付随して治療拒否の権利も保証されるため,患者の意思に反する生命維持治療は法的に犯罪となった。「健康と障害の基本サービスに関する政府諮問委員会」は,1993年にヘルスケアの分配を検討する審議報告書を発表した(1)。この報告書は国民に次のような問いを投げ掛けている:「利益とは何か?」,「金額に見合う価値があるか?」,「公平か?」,「社会の価値観や優先順位と一致するか?」,これらの質問の答えは,遺伝子テストの今後の社会的方向に影響を与えるだろう。政府諮問委員会は,米国・オレゴン州の優先順位リストのような,公的援助を受けられるものと受けられないものといった一種の条件リストを作成することはないと言っている。
本人負担制度の導入は国民の支持を得ていない。1989年には,国民の 63%が「医療は必要とする者が無料で得られるようにすべきだ」に賛成し,一方 25%がこれに反対し, 10%が「どちらともいえない」と答えた。「医療は『本人負担』にすべきだ」には, 53%が反対し, 32%が賛成, 12%が「どちらともいえない」だった(2)。「公立病院が良くなるなら,もう少し余分に税金を払ってもよい」という質問には, 41%が賛成で 42%が反対だった。ニュージーランドでは社会主義的理想が保持されているようである。教育においても,障害を持つ子供は通常,少なくとも週の何日かは,普通校に通う。どの国も理想的ではないが,ニュージーランドでは病気の人々が,その他の多くの国々よりも,社会によって支えられていることを,現在の社会的価値観は示している。
オーストラリアは,先住のアボリジニーにおいても,最近のヨーロッパ人やアジア人でも,植民地化の歴史がさらに古い国である。ニュージーランドのマオリが村落を基盤とするのに対し,アボリジニーは社会も生活も移住性なので,現代的ライフスタイルにおいてもニュージーランドの民族間の状況が,オーストラリアよりはるかに良好なのは驚くことではない。しかしオーストラリアも一般に,人間の責任と社会の連帯という社会主義的視点に立ち,社会福祉制度と医療制度を有する。1992年にオーストラリア法廷はアボリジニーをオーストラリア大陸の原住民であることを認めたが,これは社会的立場において重要な影響を与えるかもしれない。遺伝病の発生には人種的相違がいくつかあり,例えばアボリジニーでは色盲の発生率が高い。過去の人種差別問題を考えて,より深刻な病気に対する遺伝テストの使用は今後の人種的虐待を避けるために慎重に行われなければならない。
個人レベルでは,オーストラリア人はより米国人に近く,一方ニュージーランド人はヨーロッパ人に似ている。オーストラリアとニュージーランドは,ひとまとめにしてオーストラレーシアと呼ばれ,オセアニア州の主要国である。またオーストラリアは地理的にはニュージーランドよりインドネシアに10倍以上近いが,それでも文化的に世界で最も近い国同士である。
従って,今年行われた国際生命倫理調査で述べられた意見が似ているのも不思議ではない(3)。遺伝子テスト,遺伝病,精神病についての質問も含めた世論調査を,オーストラリア,ニュージーランド,日本,その他のアジア諸国の一般市民,高校の教師,医学生に対して行った。この調査結果はメイサー&加藤,コーシックの論文で取り上げる。インド,タイにおける調査は本書刊行時点では終了していない。基本的特徴のいくつかを表1に示すが,調査結果全体についてはBioethics for the People by the Peopleを参照されたい(3)。世論調査は,無作為に抽出した全国の回答からの督促状なしの郵送による回答で行われた。ホンコン,シンガポール以外の学生の回答は,選ばれた大学の医学部からのもので,本書 (p.203) メイサー&加藤で述べたように多くの方々の協力を得て行われた。これらの調査には,自由回答の質問も含まれており,人々が決定を下す際に用いるいくつかの要素を明らかにできるよう計画した。ニュージーランド,オーストラリア,日本の回答は一般の人の代表,そしてインド,タイ,イスラエルからは一般よりも高学歴者の回答である。
ニュージーランドとオーストラリアでは,遺伝病を持つ人を知っているのは半分近くだが,精神病の人を知っているのはそれぞれ 30%と 40%だけで,これは日本の回答者の 68%よりもはるかに少ない数字である。同じ傾向は医学生にも見られる。疾患に対する認識は,本書(p.205-207)メイサー&加藤で検討する。
プライバシーと遺伝情報
遺伝情報のプライバシーの尊重は,表 2に示すように,アジアとオーストラリアの人々では似ており,米国とは異なる。すべての国の人々は,情報を配偶者と分かち合うことには一様に肯定的である。日本やフィリピンの人は,シンガポール,タイ,ホンコンの人に比べ,近親者と情報を分かち合う人が多いようだが,インド,オーストラリアや米国では少ない。米国では他の国に比べ,雇用主や保険会社が遺伝病の情報を当然知るべきだとする人が多い。日本では,遺伝病やHIVに関する情報を雇用主や保険会社と共有すべきとする人が他の国に比べて少ないようである。
これは遺伝子テストに対する社会的方向が異なることを意味するのだろうか? 私は,家族意識の違いが家族の参加に対する認識や,疾患がもっと家族の問題とみなされるかどうかを説明しているのではないかとも考える。遺伝病とHIVはどちらも同様の結果だった。どの国でも,家族は病人を支えるだろう。社会にとってさらに重要なのは,保険会社や雇用主と情報を共有することである。米国では,雇用主や保険会社が情報を当然知るべきだとする人が驚くほど多い。多くの人が,保険会社が遺伝的リスクを基にコストを変更することを受け入れ(リスクが自分たちにはない限り!),病人に対する地域社会の連帯が欠如していることを暗に示している。オーストラレーシアの生命保険会社は,遺伝病を有する家族の加入を拒否する可能性もあるが,幸いなことに,医療を受けるのに医療保険は必要ない。
出生前遺伝子スクリーニングの世界的支持
遺伝子テストは医療に対する遺伝情報を提供する。表3に見られるように,出生前遺伝子テストの賛成の度合は,調査国すべてで高い。ニュージーランドとオーストラリアでは,出生前遺伝子スクリーニングを公的助成による医療で受けられるようにすることを約 80%が支持しており,また約 70%が個人的にスクリーニングを利用すると答えた。オーストラリアの回答者は,ニュージーランド,日本,北米に比べて,出生前遺伝子スクリーニングに対してわずかながらより肯定的で,先天的異常を持つ胎児の中絶に,より積極的なようだ。1991年の調査結果から取ったデータが示すように,日本における学識者と一般の人々との意見に違いはない(4)。フィリピンでは,遺伝子スクリーニングは支持されているが,表 4にあるように,中絶は拒否されている。
ニュージーランドとオーストラリアでは,出産は民間の病院でも行われるが,大抵,公的補助を受けて行われる。オーストラリアでは,母親にかかる費用もいくらかあるかもしれない。障害を持つ胎児の出産と中絶は公的保険が適用されるが,日本では,一般的にはこのようなことに保険は適用されない。
米国の「遺伝子テストに関する大統領諮問委員会」に見られる倫理的慣習によれば,テストは個人を助ける場合のみ行われるべきとされている。出生前遺伝子スクリーニングは特別なケースであり,情報は家族の利益になる可能性はあっても,胎児の利益になるとは限らないかもしれない。リスク要因を明らかにするための個人への遺伝子テストは,生活様式の変更へ導くことも可能であり,これは利益だろう。すべての人に同等の健康の機会を提供する国民社会福祉制度が存在し,必要とする人により多くの医療を提供し,これらを支える教育的,社会的環境があるなら,遺伝子テストの増加による直接的な社会的影響は少ないだろう。
遺伝子テストの賛否に関する自由回答で述べられた主な理由は意味深く,表5に示す通りである。自由回答のコメントの中の主な理由はすべての国で似ているが,日本では遺伝子テストは「国の保健制度の資金を節約する」という経済的理由を上げた人は少なかった。日本人は保健の経済的負担についてそれほど深刻に考えていないようだが,こういう態度が景気後退と医療費の増加,そして人口の高齢化の結果どう変わるのか興味深い。ニュージーランドやオーストラリアでは景気後退のせいで金銭面から考えるようになっているのかもしれない。税金が高ければ,税金は公正の倫理原則に従った富の再分配だという事実に,直面しなければならないのも真実である。経済苦境で高齢者への医療は削減を強いられるだろうし,高齢者問題や経済的要因は,遺伝子テストよりも病気の人に対する人々の認識を変える大きな社会的力になる可能性がある。ニュージーランド人も依然,社会福祉の陰にはあるが,政策を変えたのは経済苦境だった。しかし景気後退が人々を経済的に考えるさせるようにするかは,まだ証明されていない。ニュージーランドでは一般市民のコメントが求められるとはいえ,政府は人々の支持なしに政策を押し進めることもある。オーストラリア政府は一般市民の意見にもっと敏感で,また意見を求めてもいるが,いくつかのアジア諸国では,一般市民の意見は求められていない。
遺伝子スクリーニングに賛成するその他の理由には,胎児を救うこと,両親を救うこと,そして,選択の権利と中絶を決定する権利へのより積極的な支持があった。日本ではわずか 1-2%が胎児には生きる権利があるとしており,オーストラリアでは 3-4%,ニュージーランドでは4-8%だった。1993年末,ニュージーランドでは,障害をもつ胎児を中絶できる期限を,一般的な「精神上の理由」による中絶期限である22週より延長する法案が提出され討議された。この結果は遺伝子テストに何らかの影響を及ぼすかもしれない。1992年の福井セミナーで川島ひろ子博士は,日本と米国における遺伝子テストに対する認識の,非常に意義深い比較を発表された(5)。西洋の社会に比べアジアでは,障害を持つ子供の誕生を非難したり,恥じたりすることが多い。これは遺伝についての知識に左右されるだろうが,教育がより広く行き渡るまで,障害を持つ子供の誕生は,多くのアジアの家族の心の中に,単なる不運ではなく罪悪や恥としてあり続けるだろう。
遺伝子テストの社会的許容度はどの国でも高く,その理由も似通っているが,アンケートの回答用紙の中にすべての理由が書き表されているのではなくて,他の理由は人々の心の中の秘密なのかもしれない。論拠は似ており,国の違いにより論拠が異なるというよりも,国の中での論拠の多様性のほうが大きい。この調査は一般の人々と一般の学生の態度を調べることに焦点を絞った。一般の人々は遺伝相談を使用する側であり,もし指導的でない相談が行われるのならば,一般の人々の態度のほうが遺伝カウンセラーの態度よりも重要だろう。遺伝カウンセラーの態度に関する国際調査は二度,ヴェルツとフレチャーによって行われているが,最初のものはすでに出版されている(6)。これらの調査結果は私たちが実際の状況を描くのに,そして遺伝相談で人々が意思決定のために使用するかもしれない考えを理解するのに役立つ。
日本には障害を持つ胎児の中絶は,遺伝病や障害を持つ人への差別を増やすことになると主張する人もいるが, 私はそうは思わない。なぜなら… 1)多くの人は依然,遺伝によって障害者になるのではなく,誕生後の事故で障害者になる。2)自由に選べるなら,すべての国の母親の10-20%は,胎児に重度の疾患があっても中絶しない。3)いくつかの厳しい選択肢の中で中絶が最良と判定するのは難しいことで,その個人的経験により症状への理解は深まる。集中治療による延命は「神のふりをする」ことであり,病気が理由で胎児を中絶するのも同様である。いかなる方法による病気治療も含め,人間の多くの活動は「神のふりをする」ことと呼べるだろう。
遺伝子治療の国際的支持
国際生命倫理調査のその他の質問の回答から,人々には,科学技術の利益とリスクのバランス感覚があることがわかる(3-5)。人々は科学技術に対し単純な見方はせず,大抵,利益と害悪のリスクを認めることができる。これは利害のバランスをとる生命倫理にとって必要なことで,私はこれを生命倫理的成熟度の指針と呼んでいる。
遺伝子治療に関する質問の回答から,人々が遺伝子治療の健康維持のための治療と美容への応用を明確に区別することが明らかになっている。これは倫理学者にとっては励みになる。同様に,遺伝子工学を使ってより大きな釣り競技用魚類を作ることに対する回答も,耐病性作物を作ることと区別している(3,4)。表6に示した遺伝子治療のケースでは,8問質問をした。病気治療に遺伝子治療を利用することについては,体細胞 (a,b),生殖細胞 (c,d)のいずれでも支持が非常に高く,エイズワクチン (h)でも支持は高かった。改善のための遺伝子工学 (e,f,g)には拒否反応があった。以前の調査結果におけるこれらの支持は遺伝子治療に対する幅広い支持を示唆している(4, 8)。
社会制度に依存する社会の将来の方向
社会的に将来起こることは私たちが作る社会に左右されると,結論としていえるだろう。異なる国の個々人がこれらの質問に対し似たような認識を持っているが,アジアとオセアニアでは社会制度は既に異なっている。個々人の考え方における類似性にもかかわらず,日本と他のいくつかの国々では社会制度の構成は異なり,従って日本における社会制度は一般に人々の考えを代表していないのかもしれない。国境を接した米国とカナダの保健制度が世界の社会保健政策の両極端の面を代表しているのだから,これも驚くには当たらない。しかし,国際生命倫理調査のなかで明らかになった普遍的な論理は(3)他の国際的調査に比べ,人々の間の考え方の違いから異なる社会制度が生まれるという私たちの視点を考慮しなければならないことを示唆している。事実,異なる社会制度は場合によっては違いを作り出すために使われる。
個人の遺伝子と健康の改善という優生学的視点自体は前向きなものだが,これが服従という否定的な優生学的社会勢力や,病気を持つ人への差別から離れることができるかどうかは,時間だけが本当に答えられる質問だろう。1993年末,好ましくない遺伝子を持つ人達の結婚を禁止するであろう「優生と健康保護」法案が中国で提出されたことは,経済力が遺伝子テストによって将来の方向を決定する主な要因となるという考えを支持する別の論拠である。このセミナーでの羅先生の発表は,中国ではこの法律の強制的性格を支持する人は少なくても,多くの人が概念は支持することを示唆している。オセアニアのスポーツ好きの二つの国の社会史からは希望の光が差している。スポーツの分野や学術の活力を高く評価する社会は,弱さもまた尊重することができ,そのような認識の下で両国は社会的に強くなるのである。「共同社会の法則」の倫理的,宗教的力は「弱肉強食の掟」を打ち負かし続けるだろう。
1. National Advisory Committee on Core Health and Disability Support Services, The Best of Health 2 (Wellington, N.Z.: Core Health Services Committee, P.O. Box 5013, Wellington, N. Z., 1993).
2. Chetwynd, S.J. (1989) New Zealanders' attitude to health care policy. Community Health Studies 13: 186.
3. Macer, D.R.J. Bioethics for the People by the People (Christchurch, N.Z.: Eubios Ethics Institute 1994).
4. ダリル メイサー,遺伝子工学の日本における受けとめ方とその国際比較, (ユウバイオス倫理研究会1992).
5. 川島ひろ子 pp. 152-4 in 藤木典夫 & ダリル メイサー,編,ヒト・ゲノム研究と社会,(ユウバイオス倫理研究会 1992).
6. Wertz, D., & Fletcher, J.C., (eds) Ethics and Human Genetics. A cross cultural perspective (Berlin: Springer 1989).
7. Macer, D.R.J. (1994) Perception of risks and benefits of in vitro fertilization, genetic engineering and biotechnology. Social Science and Medicine 38: 23-33.
8. Macer, D.R.J. (1992) Public acceptance of human gene therapy and perceptions of human genetic manipulation. Human Gene Therapy 3: 511-8.
9. Macer, D. (1992) The 'far east' of biological ethics. Nature 359: 770.
10. Editorial, (1994) China's misconception of eugenics. Nature 367: 1-2, 3.
表1:回答者の分布 %で表記
1993年の国際生命倫理調査(参考文献2)の回答者数(N),1=回答率,2=調査の開始時期,(+)=インド(N=300/880),タイ(N=274/770)の調査は分析が完了しておらず,データは上記の回答率に基づく。省略記号:NZ=New Zealand; J=Japan; J91 from Japan 1991 survey (4); A=Australia; P=Philippines; S=Singapore; HK=Hong Kong; T=Thailand (in English N=67); R=Russia; a small s=medical students; US86 (from the OTA Survey 1986); US92 (from March of Dimes Survey 1992, N=1000).
表 2:プライバシーと遺伝情報やエイズ
問21. もし,欠陥遺伝子,あるいは遺伝病を持つ人がいたとすると,その人以外に誰がその情報を知らされて然るべきだと思いますか。
問23. もし,誰かがエイズに感染していたとすると,その人以外に誰がその情報を知らされて然るべきだと思いますか。
表3:出生前遺伝子スクリーニングの支持
問16. 遺伝病のうちあるものは妊娠初期に胎児の診断を行なうことによって判定できます。そのような検査は国民健康保険で行なえるようにすべきだと思いますか。またそれはなぜですか?+はい -いいえ ? わからない
問17. あなた,又は,あなたの配偶者の妊娠中に問16のような検査を受けたいと思いますか。また,それはなぜですか?
表4:障害を持つ胎児の中絶に対する支持
問1. 次に述べる事柄についてどう思いますか。問1.f. 妊婦は,胎児が4か月未満であれば妊娠中絶できる。
++ 大いに 賛成 + 賛成 = どちらでもない - 反対 -- 絶対反対
問1.g. 妊婦は,胎児に先天性異常がある場合, 4か月未満であれば妊娠中絶できる。
表5:出生前遺伝子スクリーニングに関する理由
問16. 遺伝病のうちあるものは妊娠初期に胎児の診断を行なうことによって判定できます。そのような検査は国民健康保険で行なえるようにすべきだと思いますか。またそれはなぜですか?
問17. あなた,又は,あなたの配偶者の妊娠中に問16のような検査を受けたいと思いますか。また,それはなぜですか?
「親の都合」は中絶すると答えた人を含む。「知る権利」は中絶ではなく,単に知りたいとした人を含む。「その他の利点」は個人的な理由を述べた人を含む。
表5:遺伝子治療の国際的支持と改善に対する拒否反応
問28. 科学者が次のような目的で,ヒトの細胞の遺伝的性質を変えることについてどのように感じますか。 ++ 大いに賛成 + 賛成 - 反対 -- 絶対反対 ? わからない