「学校における生命倫理教育ネットワーク」第18回勉強会報告

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ダリル メイサー(責任者、筑波大学 助教授)
〒305 つくば市 筑波大学 生物科学系
生命倫理に関する教育研究グループ
ファックス番号:0298-53-6614



<とき・ところ>
2000年3月4日午後3時〜6時まで
東京都立日本橋高等学校にて

タイトル:遺伝カウンセリングの現状と意義

発表者:小野正恵先生(東京逓信病院遺伝相談医)

概要: 小野先生は、長く小児科診療にたずさわる傍ら、先天性代謝異常、臨床遺伝学の研究をすすめ、現在は遺伝カウンセリングの第一人者として活躍しておられます。出生前診断、遺伝子診断など、ゲノム時代を迎える現代、まさにその最前線で臨床の現場にあたっておられる立場から、遺伝相談の実際や遺伝カウンセラーの教育などについてお話いただきます。素朴な疑問や率直な意見を交えて、ゲノム時代の倫理と教育を、話し合っていきたいと思います。多くの方々の参加を期待しています。

<参加者>
社会科
大谷いずみ先生(上越教育大学)
三浦俊二先生(埼玉県立草加高校)
山下亨先生(東京都立東村山高校)
村野光則先生(お茶の水女子大学付属高等学校)

生物科
白石直樹先生(東京都立足立新田高校)
鈴木宏治先生(東京都立南葛飾高等学校)
坪井重子先生
井出知綱先生

小野正恵先生(東京逓信病院小児科 医学博士)

田村智英子さん(帝人 医薬医療事業本部 学術部)
吉野きよみさん(国立小児病院)

メイサー、ダリル(筑波大学生物科学研究科)
加藤牧菜(筑波大学生物研究科学系)

勉強会の流れ

オリエンテーション・アイスブレーキング
(15:00〜15:15)

まず第18回の勉強会のテーマを説明し、東京逓信病院小児科 医学博士の小野先生に発表していただくこと、その後全体で小野先生の発表をもとに話し合いをすることなど大まかな流れをお知らせいたしました。

小野正恵先生による報告
遺伝カウンセリングの現状と意義
(15:15〜16:50)

 小野先生は「遺伝カウンセリングの現状と意義」と題した資料を参加者全員にくださり、その資料には、日常遭遇する遺伝性疾患のあらゆるタイプが載せられていました。そして資料に掲載されている各々の遺伝性疾患に関して、スライドを使い参加者に説明されました。
また、先生は遺伝相談に来られる患者の多くは、これから結婚しようとする本人、そしてその親の世代が圧倒的に多く、特に女性が多いと述べられました。
また先生は、日本において大学で英文学を専攻し、卒業したダウン症の女性を紹介したビデオを見せてくださいました。彼女はニュージーランドで開催された国際会議においてスピーチをしたそうです。しかしながら、このようなケースは稀であり、きわめて良いケースなのだそうです。実際はダウン症をかかえた親達はどうして我が子は成長の発達が遅いのであろうかと医者に訴え、自分達を責めてしまうことが多いそうです。
危険因子が遺伝する概念は人々にとって大変理解しがたく、各個人が解釈する危険性は個人によって異なると述べていました。
日本では中絶に対し制限を設けており、また、胎児期に診断された病気は中絶の理由として法律でみとめられていないにもかかわらず、遺伝子カウンセリングが行われている現状にあるそうです。
遺伝子疾患が抱える大きな問題点は多様性、個人差をどう認識するかということだそうです。現在は完璧な子供を求める風潮にありますが、いろいろな人が支え合い生きていく社会の中で、人間の正常の範囲とは何か考えてみる必要があるとおっしゃっていました。価値観の植付けは社会的なものではないのでしょうか。
また出生前診断によって、医療が欲望を満たす手段になりかねなく、「いのち」の問題に“効率“を持ちこんでよいのであろうかと疑問を投げかけてくださいました。
 ましてや、男女の産み分けなどは認められてはいけないことだそうです。

全体での討論
(16:50〜17:50)
 
小野先生の発表をもとに全体で1つのグループとなり、意見や疑問を投げかけてそれをもとに話し合いを行いました。

事務的連絡
(17:50〜18:00)
 
次回の勉強会をはじめ、その他の連絡をさせていただきました。


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