インターネット上で見る生命倫理の精神

ダリル メイサー (Darryl Macer)

日本生命倫理学会ニュージーランド (March 1999).


 インターネットを使う上での五つの基本的な要素:
1 世界中の何千という読者に同時に公開することの出来る唯一のメディアである
2 インターネットカフェ、図書館またはパソコンを通じて誰にでもアクセス可能である
3 限界は、人間の想像力だけである
4 自己コントロールが出来ないと、情報が過剰になってしまう
5 主要な学術誌が掲載され、印刷されるものが減るであろう

 生命倫理に関する未来の出版形態は、インターネットか、CD−ロム(もしくはDVD等)が中心になると推測される。ユウバイオス倫理委研究会は、国の貧富の差に関係なく情報を共有できることを期待して、低コストで出版物を掲載できるために1990年に設立した。1995年から、ユウバイオス出版物やその他の多くの情報がインターネット上で自由に閲覧できる。

 "Eubios Journal of Asian and International Bioethics"(EJAIB)の第50版が、1999年3月に発行される。これはインターネット上唯一の主要な生命倫理学術誌であり、現在の段階では、3年前に私が申し出た他誌のインターネット上での掲載に答えてくれるものは現れていない。このことから、EJAIBは世界中で最も広く読まれている生命倫理学術誌として、日々、100人以上のアクセスを記録している。閲覧者は多方面にわたっており、退職した教授、高校生、主婦、政治家や裁判官、投獄されている囚人達も例外ではないだろう。これこそが生命倫理の精神であると信じている。

 私の仕事である生命倫理と遺伝子において、多くの科学者達にDNAシークエンスのデーターや、命を救う薬や食べ物を全ての人に開放することを呼びかけてきた。公平で一貫性を貫くために、生命倫理学者達は無償で全ての出版物を皆に開放するべきであると信じている。その他の生命倫理学術誌の編集者達は、インターネット上で情報を公開すると、雑誌自体の売れ行きが悪くなることを恐れて実行に移そうとはしない。それに対して私は、そちらの方が良いではないかと答えたい。森林の伐採を防げる一方で、コンピューター自身が公害を生み出すこともあるかもしれない。情報の無作為なプリントアウトは、防ぎきれないものであるかもしれない。

 情報の公開方法に変化が訪れることを期待するのは、数多くの生命倫理学術誌が出版されてはいるが、その大抵が高価だからだ。いくつかの科学誌がネット上で公開されているが、会費を請求する方向に向かっている。"Nature Biotechnology"や"Science"等がその一例である。"Canadian Medical Association Journals"は、伝統的に無償で情報の公開を行っており、称賛に値する。こうしてみても分かるように、 一週間でEJAIBをインターネット上で利用する人の方が出版物として利用する人よりもはるかに多いことが分かる。

 インターネットで出版物を公開する上で三つの問題があげられる。ひとつめの問題は、EJAIBの閲覧権が、ユウバイオス倫理研究会へ、支払いに耐えうる利用者からの善意の徴収を元にしているということ。第二に、読者への情報の質の管理( British Medical Journal 317 (1998), 1496-502参照)。もう一つは著作権の問題である。私は過去に学会で自分の書いたものが他人の口を借りて語られるのを聞いたことがあり、その時には引用すらされていなかった。正直な話、日本においての方がひょうせつが多く見られるように思う。特に、訳された論文を使うときに見られ、例えば、英語の論文が日本語に訳され再出版される、等である。元の言葉においてのひょうせつは発見しやすいが、違う言葉になると難しいのである。

 下に、ユウバイオス倫理研究会のファイルのいくつかを載せる。これには、千を越す論文が含まれており、国際的な生命倫理の世界への招待状である。 時間と人手が許すならば、さらに多くの論文を掲載し、国際的なインターネット上で人々を結びつけていきたいと思う。

 電話代を節約したい皆様には、1999年3月のEJAIB第50版に続き、過去の全てのユウバイオス出版物やウェブページを集めた1枚のCDーロムを 制作するプロジェクトが嬉しいニュースだと思う。CD−ロム、TRT3やTRT4のビデオテープの値段は、まだ決定していないが、近い将来インターネット上でビデオを流すこともそう珍しくはなくなるだろう。

  いずれにせよ、会議や個人的な会合におけるふれあいや円卓会議は、これから先も学会や人々の交流が続くことを意味するだろう。

ユウバイオス倫理研究会
Eubios Ethics Institute

* Eubios Journal of Asian and International Bioethics (EJAIB)
*Eubios Ethics Institute Newsletter (EEIN)
*書籍 (英語/日本語は準備中) / Books and Conference Proceedings
* バイオテクノロジー、遺伝子工学についてのニュース/Bibliography and News in Biotechnology and Bioethics
*American Journal of Medical Genetics Ethics Section
*International Association of Bioethics Genetics Network
*International Union of Biological Sciences (IUBS) Bioethics Program
* Bioethics Teaching Materials / 生命倫理教育の補助教材
*学校における生命倫理教育ネットワーク」
* UNESCO Declaration and Bioethics Committee Reports (Bioethics and population genetics / Food, plant biotechnology and bioethics)
*HUGO ELSI Committee Statements
*Listing Of International Declarations, Guidelines, etc. on Bioethics / Health Care Ethics / Human Rights Aspects Of Health
*Council of Europe Bioethics Convention
*Other WWW information links on bioethics
*Conference list
*Asian Bioethics Association (ABA)
*All India Association of Bioethics (AIBA)
*メイサーの日本語と英語の論文
*4000+ Abstracts on assisted reproduction
*C.E.R.P.H. Study Centre on the Recognition of Human Personhood

ダリル メイサー
〒305 茨城県つくば市天王台1-1-1
筑波大学 生物科学系
Fax: Int+81-298-53-6614
Tel: Int+81-298-53-4662
Email < Macer@biol.tsukuba.ac.jp >.


On the Eubios Ethics Institute (English)
ユウバイオス倫理研究会